長野県南佐久郡佐久穂町／
茂来学園 大日向小学校（もらいがくえん おおひなたしょうがっこう）は、長野県南佐久郡佐久穂町にある、全国的にも珍しい「オルタナティブスクール（新しい形の学校）」として知られています。2019年に開校したこの小学校は、子どもたち一人ひとりの個性や学びのペースを大切にしながら、自然豊かな環境の中で伸び伸びと学べることを大きな特徴としています。 学校の名前にもなっている「茂来（もらい）」は、近くにそびえる茂来山（もらいさん）に由来しています。茂来山は地元の人たちにとっても特別な存在で、地域のシンボルのような山。そのふもとに広がる大自然の中で、子どもたちは教室の中だけでなく、森や川、畑など、ありとあらゆる「自然の教室」で学びます。 大日向小学校は、いわゆる普通の公立小学校とは少し違っていて、「学年」という枠にとらわれず、子どもたちが自分の興味関心に応じて学びを進めていくスタイルを採っています。先生たちは一方的に教えるのではなく、子どもたちの「やりたい」「知りたい」という気持ちを尊重し、それをサポートする役割を担っています。 また、茂来学園では「対話」をとても大切にしています。子どもたち同士はもちろん、子どもと大人との間でもしっかり話し合いながら、学校のルールを自分たちで作ったり、問題が起きたときもみんなでどう解決するかを考えます。これによって、子どもたちは単に知識を身につけるだけでなく、自分の意見を持ち、相手の意見も尊重する力を育んでいきます。 校舎もとてもユニークで、温かみのある木造建築が特徴です。設計には「子どもたちが自由に動き回れること」「自然の光や風をたっぷり感じられること」が意識されていて、教室の枠を超えたオープンスペースが広がっています。まるで森の中にある大きな家のような雰囲気で、子どもたちも自然とリラックスして過ごせます。 また、茂来学園大日向小学校は、全国各地から移住してきた家族にも人気です。特に「都会の生活から離れて、自然の中で子育てをしたい」と考える人たちにとって、大日向小学校の教育理念や環境は大きな魅力となっています。そのため、地域の子どもたちだけでなく、県外出身の子どもたちも多く通っており、さまざまな背景を持った仲間たちと一緒に学ぶことができる、豊かな交流の場にもなっています。
